人気アニメの実写化本命と注目を集めていた「ルパン三世」の実写映画が正式に決まり、配給元の東宝によると、来年夏の公開に向け撮影は順調という。最近は往年の人気アニメの実写映画が相次いで公開されているが、苦しい興行が続くが、勝算はどうか。

 注目のキャスティングはルパンが小栗旬(30)、次元大介が玉山鉄二(33)、石川五ェ門が綾野剛(31)、銭形警部が浅野忠信(40)に決定。アニメ界屈指のファム・ファタール(魔性の女)、峰不二子には黒木メイサ(25)が起用された。

 原作は1967年から約2年連載されたモンキーパンチの同名漫画で、70−80年代にアニメ版が放送され実写化は2度目になる。アクションの名手でハリウッドに活動拠点を置く北村龍平監督(44)がメガホンを取る。東宝によると「アクションテイストが強い」といい、アジア各国のスターが出演予定で、“世界一の大泥棒”にふさわしいエンタメ大作となりそうだ。

 屈指の人気キャラを演じる俳優のプレッシャーはかなり大きい。黒木はブログで、「たくさんのプレッシャーと温かいお言葉、みなさんからいただきました! 全力で不二子ちゃんやらせていただきます」と意気込みをつづった。小栗は「マジかよ〜実写化! と僕も思いました」と率直だ。

 ネットでは黒木に不安の意見が集中。スレンダー体形の黒木に「不二子は胸がなくては」「沢尻エリカの方が似合う」という声も目立つ。

 原作ファンは期待と不安が拮抗しているようだが、アニメ・漫画の実写化事情に詳しい映画ライター、吉田武氏は「実写化は原作と違うアプローチがいいのでは」と指摘する。

 「原作と同じ展開ならアニメ化の方が相性が良い。実写化なら監督独自の切り口と個性によるライブアクションなどで勝負した方が成功につながるのでは」

 実写化で成功した例は大ヒットしてパート2、3が製作中の実写版「るろうに剣心」がある。監督は、NHK出身でドラマ&映画「ハゲタカ」、大河ドラマ「龍馬伝」を手掛けた大友啓史氏(47)で、「CGを使わないアクションが若い世代に斬新と受けとめられた。主演の佐藤健は殺陣をマスターするのにとてつもない時間を費やしたという」(吉田氏)。

 ヒットしなかった実写化については、「原作を意識し過ぎたこと、原作ファンを無視したキャスティングありきで企画された」と解説する。

 となると、実写版「ルパン三世」はどうなるか。北村監督とも親しい吉田氏は、「監督は撮影前、『原作と同じ設定でやったら実写化の意味がない。キャラクター設定から今風に見直していくつもり。現代社会に刀を持った侍のような格好の五エ門の姿はナンセンス』と言っており、現実的観点で撮影に挑んでいる。黒木には『身体のボリュームが足りない』という批判も出ているが、細身なスタイルを大いに生かした大胆でセクシーなアレンジを施した演出をしてくれるだろう。単身ハリウッドに乗り込んで磨いたクリエイティビティーが存分に発揮されるはず」と期待している。

 カンヌなど大映画祭を狙っているという実写ルパン。世界の映画ファンの心を盗めるか。
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